現在の仕事についた経緯

4年前、海外留学をしていた最中に新型コロナウイルスによるロックダウンを経験し、帰国を余儀なくされました。東京に帰国後、特にやりたいことも見つからず、沖縄への移住を決断しました。幼少期に数年過ごした沖縄で祖父母に育てられたことから、恩返しをしたいと思ったことがきっかけです。
コロナ禍を機に健康意識が高まり、曽祖父の代から続く農業に携わることを決意しました。亜熱帯以南でしか育たないとされるスーパーフード「モリンガ」に出会い、その栽培と商品化を目指して農業生活を始めました。

仕事へのこだわり

『自分の気持ちに嘘をつかない』
私の学生時代の夢は、消防士のレスキュー隊になることでした。高校卒業後、心身ともに鍛えるべく選んだ進路は陸上自衛隊でした。2年間勤めた後、消防士の勉強をするために退職し、試験に無事合格しました。そして入社までの3ヶ月間は、オーストラリアに留学しました。初めて海外の地に降り立つと、日本とは異なる風景や環境に心が躍り、自分の視野や価値観が一気に広がりました。
その時、「もしかしたら自分は消防士をやめるかもしれない」と感じました。そして、いざ消防士となり、レスキュー隊の夢も叶えた私は、自分が抱いた思いの通り、退職する決断を下しました。
その後は浅草で人力車を引く俥夫になったり、プロ野球選手のマネージャーをしたり、ロールスロイスの運転手をしたり、再度海外に留学したりと、常に自分のやりたいことに素直に取り組んできました。周りからは「何をやっても続かないな」「いつまでふらふらしているんだ」と言われることも多々ありましたが、今になって思うことは、自分の気持ちに従い、やりたいことを実現してきたからこそ、現在の職業である農業に出会い、全力を注ぐことができているのだと思います。
『自分の気持ちに嘘をつかない』という思いが根幹にあるからこそ、従来の農業らしさとは異なる発想で、様々なことに積極的に挑戦できているのだと思います。

若者へのメッセージ

好きなこと、やりたいと思ったことを、まずはやってみてください。何かを始めるときや、今までやってきたことを変更するときには、必ず不安な気持ちになると思います。しかし、自分が興味を持ったことを実行するエネルギーは、通常の何倍もの力を発揮します。
自らの意思で決断し行動した人は、過去の自分よりも一回りも二回りも成長しているはずです。その成長過程では、大変なことや辛いことをたくさん経験するかもしれません。しかし、良いことも悪いことも含めて、たくさんの経験を積むことで、将来、皆さん自身が強く優しい人間となり、輝かしい未来を築いていけると信じています。