現在の仕事についた経緯

教師という素晴らしい仕事を続けていく一方で、急速に変化する教育現場に疑問を抱くと同時に、定年まで働くのが当たり前という公務員の感覚に違和感を覚えるようになりました。そして、一度しかない人生の中でたった一つの仕事しか経験できないのはとてももったいないことだと感じ、起業の道を選択しました。
起業後は、様々な起業塾や講座などで、ビジネス経験のない人がゼロからイチを達成することなく、挫折しフェードアウトしていく様子をたくさん見てきました。
ビジネス経験ゼロの教員から起業した自分なりの経験とノウハウ、マインドを伝えて、多くの人の挑戦に寄り添えたらと思い、今があります。

仕事へのこだわり

自分なりの哲学を持つことを大事にしています。いろいろな“成功者”と言われる人を見ると、真似したくなり、同じようにやれば成果が出ると思いがちです。初期段階はそれも大事なことです。しかし、ある程度、形になったら自分なりの哲学を持ってやることが大事だと考えています。
例えば、今私は初めてビジネスをする人達にマンツーマンで寄り添いながらサポートを提供しています。ビジネスを拡大していくという点で見れば、非効率的であり、甘いやり方と言えるでしょう。しかし、自分がどんな人にどんなことを提供したいのか、それがどこにつながるのか、なぜそれを始めたのかに立ち返るとブレることはありません。ですから、情報収集をしながらも情報を取り込まないという感覚で取り組んでいます。

起業のコンサルを提供してるので、クライアントさんが起業で成功するお手伝いをするのは当たり前ですが、ちょっと違う角度で、「最終的にクライアントさんが幸せになれば起業が正解とは限らない」そんなふうに考えています。
教員のクライアントさんが多いですが、みなさんは教員の世界しか知らないのです。そうすると起業を目指す中で新しいものの見方、捉え方ができるようになり、教員の良さを再認識するケースもあります。起業を目指すことによって、これまでとは違う視点で教員という仕事に取り組めるようになる人もいます。
そういう意味では、こういった感覚はいわゆる勉強では得られませんから、とにかくはじめから実践することを強調しています。

若者へのメッセージ

今は本当に良い時代です。誰でも行動できて、学生でも会社を経営するのが珍しくない時代になりました。その一方でやりたいことが見つからない人もいるでしょう。しかし、少ない過去の経験の中から本当にやりたいことが見つかるほうが珍しいのです。だから、やりたいとかやりたくないとかはいったん置いておいて、できそうなことは何でもちょっとずつ経験してみると良いと思います。食わず嫌いにならずに、ちょっとでも色々なものをかじってみる。自分に合う合わない、面白いかつまらないかは実際に体験してみて、少し続けてみなければわかりません。どこかに意図しない出会いが隠れているかもしれません。
私はずっと野球をしてきましたが、大学を卒業してすぐ教員になりました。それらの経験は誇れるものですが、一方で偏ったわずかな経験とも言えると思います。どんなに小さなことでも、まずは実体験して世界を広げることから挑戦してみてください。きっとおもしろそうなものに出会えると思いますよ。