現在の仕事についた経緯

システムエンジニアとして働く傍ら副業をしていた折、2015年にSNSマーケティングが大きなトレンドとなり参入いたしました。そこでマスマーケティングの核心を掴み、大きな成果を出すことに成功したことから最初の会社を創業しました。

起業当初はSNS広告を生業にしていましたが、次第に大手企業が参入してくるにつれて広告費が高騰し、厳しくなっていきました。そこでD2Cブランドを立ち上げ、自社商品をブランディングして売っていく方向へとシフトすることとなりました。

Makuakeにてクラウドファンディングを行ったところ、1.8億円の支援を集めることに成功しました。
手掛けたマスクは人気ブランドとしての地位を確立し、銀座にて路面店も出店させていただき、アパレルブランドへと展開していきました。

それぞれの経験を通じ、デジタルマーケティングだけに留まらず、ブランディングやマーケティング全般に精通するに至りました。

仕事へのこだわり

幼少期より世界の本質に興味があり、仕事を通じて世界の本質に少しでも近づけるように「物事の核心」を探すようなスタイルで仕事をしています。逆に、物事の本質をビジネスを通して実験しているとも言い換えられます。

結果的に分析力・洞察力・先見性が磨かれ、社会のトレンドや大衆心理などに精通することができ、そこを優位性としてビジネスを展開することができています。

サラリーマン時代はシステムエンジニアとして働いており、その頃はシステムの本質を見極めてなるべく最小の労力と最小のコードでシステムを構築することを目指していました。なるべくシンプルなシステムにすることでバグの発生を最小限に抑え、メンテナンス性を向上することができるからです。

システムエンジニア時代にはオブジェクト指向開発やDIという開発技法などに傾倒しており、深く学んでおりました。
会社を創業してからもオブジェクト指向やDIの考え方は役に立っており、抽象化されたスキルの汎用性の高さとリスキリングの本質について感覚的に理解するきっかけとなりました。

その後、会社を創業してからはエンジニアリングとは無縁のマーケティング業務を行っておりましたが、マーケティングにおいてもエンジニア時代に学んだスキルが抽象化した考えとして役に立ちました。
マーケティングを学ぶ上でシステム開発の知識そのものは役に立ちませんでしたが、新たな仕組みを学ぶ際の手助けとして「物事を抽象化して本質を理解しておくこと」の重要性をより深く実感することとなりました。

全てのキャリアを通じ、「物事の本質をきちんと理解することで、どんなことでも最短経路で理解し適応可能となる」という気づき自体が、「仕事へのこだわり」だと言い換えることができることを学びました。

「SDGs」についての取り組み

私は経営においてサステナビリティを何よりも重視しています。
それはトレンドを扱う以上、一過性で終わっては事業が立ち行かなくなるためです。
トレンドとサステナビリティは同時に考えるべきトピックであり、それを実現するためにブランディングについて深く学びました。

マーケティングはPL(損益計算書)の仕事であり、ブランディングはBS(貸借対照表)の仕事です。
マーケティング思考で会社を経営すると利益が出たとしても積み上がっていかない事業になりやすいのです。
一方、ブランディング思考で会社を経営すると利益がなかなか出ず、黒字化までに時間がかかるビジネスになりやすいのです。

つまりマーケティングとブランディングは両輪のような存在であり、どちらが欠けても会社はうまくいきません。
真のサステナビリティを実現するためにはPLもBSも両方重要なのと同じで、マーケティングもブランディングも両方重要なのです。

SDGsは長期的な視野に立ち、社会の持続可能性を高めるための指標です。つまりどちらかというとブランディングの考え方に近いのです。
会社を存続させるためには利益が必要ですが、利益とはブランディングで作られた資産を切り崩して換金するようなものなのです。

そのため、永続する会社をつくり社会に対して貢献し続けるためにはマーケティングで利益を出しながらブランディングで資産化していくという発想が大切なのです。そのために私が常に考えているのが、「売上をKGIに置かない」という考え方です。

売上はあくまでも一つの指標に過ぎず、企業活動において最も重視するべきは会社のブランド価値です。会社のブランド価値こそが、会社が存続していく上で最も重要で価値の源泉だと考えております。

ブランドの価値について更に踏み込んで考えますと「センス」という言葉が見つかります。ブランドの価値の源泉は創業者の透徹した目標意識とそれを支えるセンスに集約されます。
例えば目標地点に向かうときに1度角度がズレていれば400kmでは約7kmも誤差が出てしまいます。つまり、目指すべき目標に対して羅針盤(センス)が少しでも狂っていれば最終到達地点は全く異なる場所になってしまうということなのです。

良いセンスと、正しい目標設定。これこそが真の意味でSDGsを実現するための鍵になると私は考えております。

若者へのメッセージ

気づきの質は人生の質です。あなたがもし今人生の進路に迷っているなら、1日にどれだけのことに気づけているか確認してみてください。
もしそれが0だったら、あなたは「何も考えていない」ということです。

気づきの数を増やすことで、気づきの質を上げることができます。
まずはたくさんのことに気づかなければ、気づきの掛け算をして本質を導き出すことができません。
多くのことに興味を持ち、触れたり試したりし、そこから自分が何に気づくのか俯瞰して見てください。

気づきの方向性が分かれば、あなたが進むべき道もおぼろげながら見えてきます。
その道に確証が持てなくても、進んでみて駄目だったら新たな道を探せば良いだけです。
ひとつ言えることは、きっとその道には意味がありますし、大きな気づきや質の高い気づきがたくさんある道です。

自分の心が向かいたがっている道を知ることが、自分の心の在処を探す最も効率的な方法です。
もし人生に迷っているようなら、この考え方を取り入れて、自信を持って進める道を探してみてください。

きっとあなたが「毎日楽しい」と思えて、力を発揮できる道を見つけることができるでしょう。