現在の仕事についた経緯

不動産会社を立ち上げた友人の誘いで京都から上京し、32歳でこの業界へ入りました。
私が就いたのは土地開発の業務でした。一つの土地に借地、底地、借家が同時に存在するような複雑な権利関係の調整を行い、完全なる所有権として仕上げ、その土地の魅力を甦らせるというこの仕事に、使命とも思えるほど夢中になりました。
どうしたらこの土地のポテンシャルを最大に引き出すことができるかを考えるのが楽しくて仕方がなく、休みの日であっても、何を見ても仕事に結びついてしまうので、趣味は?と訊かれると、つい「仕事です」と答えてしまうこともあります。
それ程までにのめり込んだこの仕事ですが、たまたまそれが不動産開発だっただけのことです。

仕事へのこだわり

「良き出会い、良き仲間、良き仕事。」この一言に尽きます。
仕事においては、人との出会いを最も大切にしています。そして出会った人々に、「ここまでやってくれたのか」と喜んでもらうことが私の仕事でのこだわりです。そのために徹底的に考え抜き、微塵も妥協することなく、とことん追究します。
また、社員が常に楽しく仕事ができる環境を心がけています。みんなが笑顔で仕事ができること。これができないと、良い仕事にはなりません。
頑張っている人間は誰でも応援します。それは当たり前です。では、頑張っていない人間はどうしたらいいか?
頑張れないのには必ず理由があります。
仕事のストレスかもしれないし、人間関係に悩んでいるのかもしれないし、家庭でトラブルを抱えているのかもしれない。話を聞いて仲間として一緒に考え、一緒に解決方法を探します。
落ち込んでいる人間がいたらどうしたらいいか?彼が腹の底から笑えるようになるにはどうしたらいいか?と常に社内に気を配っています。
みんなが笑顔になるような仕事、会社の在り方を常に考えています。それは、人が喜んでくれた時の喜びを忘れられないからです。その喜びはとてつもなく大きく、その次もまた誰かに喜んでもらいたいと思う仕事への原動力になるのです。
私の座右の銘は「折れない心」です。これは要するに「成功するまで諦めない」ということです。失敗したっていいのです。とにかく諦めずに成功するまでやり続ける。
継続するには多大なパワーが必要です。このパワーの源となるのが、笑顔であり、楽しく仕事ができる環境だと考えています。

若者へのメッセージ

5年後、10年後、20年後、どういう自分になりたいかをイメージしてください。そのために、沢山の人と出会ってください。
世の中には良い人、悪い人がいるように見えますが、実はそれは自分の中で勝手に決めているに過ぎません。軸は自分にあり、他人にはない。良い人か悪い人かを判断するのは、自分だけです。自分の軸を持って、人との出会いを大切にしていってください。
そして、人を見極める目を養ってください。それは同時に自分自身を見極めることでもあります。見極める目を養うには、いろいろな人と会うことです。現在の私も、これまでの様々な人との出会いによって形成されました。いろんな人と出会って、その人の良いところをもらう。この世に素晴らしい人は沢山いますが、その人にはなれません。だから各人から良いところをもらって、自分のものにしていく。そのようにして自分自身を形成していくのです。
次に、仲間を大切にしてください。あなたが出会うすべての人を大切にしてください。その中で最も大切にすべきは、あなたの家族です。今あなたがあるのは、お父さんとお母さんのおかげです。常に感謝し続けてください。
人を大切にするとは、まずは自分を大切にすることです。自分を信じること。自分を愛すること。それができて、初めて他人を大切にできるのです。「どうせ私なんか」と自己否定するのではなく、まず自分の良いところを評価し、自分を好きになってください。自己肯定感を持つことで常にポジティブでいられ、失敗を恐れることがなくなります。
失敗してもいいのです。原因分析を重ねていけば必ず解決し、前に進みます。失敗に落ち込んで、ネガティブになる必要は全くありません。人生は、失敗の方が断然多いのですから。失敗を恐れず、笑顔で進んでいってください。