現在の仕事についた経緯

正直にお伝えすると成り行きで人材業界で働くことになりました。新卒で入社した会社が転職サイトの立ち上げを新規事業で行っていて、そこに配属されることになりました。会社をすぐに辞めることになってしまったのですが、自分自身の転職活動の際に、転職≒人材業界のリアル を当事者として肌で感じ、その時に感じた苦悩やギャップを経験として他者にも還元したいと思い、人材会社に就職しました。
そこから約8年、人材業界で感じた業界のレガシーや変えたいと思ったことを実現するために、株式会社AGENT SUCCESSを創業し、今に至ります。

仕事へのこだわり

新卒時代からあまり良い会社員ではありませんでした。マネージャーの言うことを聞かず、自分のやり方に固執して反抗し、失敗するということを繰り返してきました。しかし、それでも拘ってきたポイントは本質的であるということです。この仕事は何のためにやっているのか、誰のためにやっているのかということを常に考え、曲げないでやってきたつもりです。

人材紹介という仕事柄、営業の数字・目標達成ということを常に求められる環境で育ちましたが、何事もやり切るということができず、自分に甘いが故に常に好成績というわけではなく、成績にもムラがありました。むしろ目標未達の方が多かったです。だからこそ、成績が上がらない人の気持ちはよくわかるので、それを今の事業にも活かしています。

労働集約型ビジネスモデルによる転職エージェント自身の疲弊を目の当たりにし、業界を去っていく人をたくさん見てきました。だからこそ、その状況を変えたいと思い、自分自身がやり切れなかったことを糧にしてクライアントと対峙するように心がけています。

また、人材業界は景気に影響を受けやすい業界であるが故、大局で物事を考えることは常に意識してきました。営業という職種柄、目の前のこと以外は目に入らなくなってしまいがちですが、好奇心を絶やさず情報を仕入れてアウトプットすることを繰り返してきました。
そうすることで突然のゲームチェンジに対応することが可能になり、実際にコロナという未曾有の災害に直面した時にも生き残ることができました。その時の経験が、今のクライアントへの価値提供という仕事に活きていると信じています。

若者へのメッセージ

以前よりも、“起業やスタートアップにいる”ということが当たり前になってきていて、自分自身がそこに属することへの抵抗感はかなり少なくなってきていると実感しています。特に同世代の同期から「大企業にいるが、スタートアップに行くにはどうしたらいいか。」と相談されることも格段に増えてきました。
そんな時代だからこそ、起業するということやスタートアップにいるということに慣れすぎたり免罪符にしたりしてはいけないとも考えています。
具体的には、スタートアップは資金もなく何をすれば良いか手探りであるからこそ、朝令暮改やイレギュラーな対応が多発したり、強行突破で売り上げを作れてしまったり、ということがあります。しかし、それを言い訳にして対応が雑になったり、知らないということを威張ったりしてはいけないなと思っています。
アイディアが良く、論理で事業や組織を構築し急成長している企業ももちろんありますが、多くの企業では、どこかでゲームチェンジが起きた時、その変化に耐えきれず人が離れていってしまいます。
会社や事業は、私たちが業界やビジネス、組織などに対して今までに感じてきた喜怒哀楽の化身だと考えています。その想いを具現化したスタートアップが共感を呼び、顧客を獲得し、やがて大企業になっていくのです。
ビジネス経験の浅い若手の方や学生さんが、そのビジネスに対する原体験の不足分を補うためには、謙虚であるということが必要です。“成功する人は非常識である”ということを盾にして、普通の人がアウトローなフリをしたまま社会人として経験を積んでしまうと、その振る舞いが間違っているにも関わらず、誰からも注意されず、やがては単に失礼なモンスターが出来上がってしまうかもしれません。
そうならないように謙虚さを忘れず、かつ、このような時代だからこそ、年齢は関係なく周りを頼りながら切磋琢磨していきたいと思っています。