現在の仕事についた経緯
私が会社を設立したのは、会社と社員の不幸なすれ違いを減らし、互いが共に成長できる健全な組織を増やしたいという想いからです。新卒で入社したベンチャー企業は、社会的意義のあるサービスを提供する素晴らしい会社でしたが、現場の社員たちは疲弊し、次第に会社への不満が募っていました。一緒に社会を良くしたいと集まった仲間が、仕事にやりがいを見出せなくなる姿を目の当たりにし、私も改善に取り組みましたが、直属のメンバーや同じ部門にしか効果が及ばず、属人的な対応の限界を痛感しました。
その過程で、会社と社員の関係性や組織構造の複雑さに根本的な課題があると気づいたのです。世の中にはそのような課題を解決できるサービスが必要だと感じましたが、探しても見つからず、ならば自分で創るしかないと思い、起業を決意しました。
仕事へのこだわり
仕事において、私が大切にしてきたことは3つあります。
まず1つ目は、「仕事は自ら創り出す」ことです。新人時代から、ただ指示を待つのではなく、積極的に仕事を探し、自分の成長のために行動することを心がけてきました。特に、上司が担当する業務を全てできるようになることを目標とし、目の前の仕事に対して自分ができる範囲を広げていく努力を続けました。上司の仕事を理解し任せられる存在になることが、自然とキャリアアップにつながると考え、自発的に仕事に取り組む姿勢を培ってきました。
2つ目は、「全ては成長機会」という考えです。たとえ自分のキャリアの方向性とは違うと感じても、必ず任された仕事から逃げずに、真剣に向き合うようにしています。ときには「この仕事は意味があるのか」と感じることもありましたが、意外な場面でその経験が役立つことが多くあり、さまざまな仕事に積極的に取り組むことが自分の成長に直結すると実感しています。
3つ目は、「人との繋がりや感謝の気持ちを大切にする」という姿勢です。もちろん、仕事では成果を出すためにあらゆる手段を講じることが必要ですが、その中でも私は「自分の信念や倫理観を守る」ことを大事にしています。どんなに成果が求められる場面であっても、他人を蹴落としてまで成功を追求する働き方は、自分の価値観にはそぐわないのです。顧客に対しては、本質的に顧客の利益を追求すること、仲間に対しては、互いに尊重し支え合うことが、長期的な信頼関係の構築につながると信じています。信頼を基盤にした人間関係は必ず自分に良いかたちで返ってきますし、これまで何度もそのような人間関係に助けられてきました。
この3つの姿勢を軸にしながら、今後も自分の信念を大切にしつつ、成長し続けたいと考えています。
若者へのメッセージ
「働くこと」を、ぜひ前向きに充実させてほしいなと思います。プライベートや余暇ももちろん大切ですが、起きている時間の多くは仕事に費やされることも事実です。だからこそ、仕事を「ただこなすもの」にせず、できるだけ楽しみや、やりがいを感じられるように取り組むことで、人生がより豊かなものになるはずです。
また、自分のためだけでなく、誰かのために働く楽しさも味わってほしいと思います。もちろん、自分が幸せであることは大前提ですが、その上で、周りの人々を幸せにすることにも意識を向けてみてください。相手は家族でも友人でも社会全体でも構いません。できる範囲で関わる人のために価値を生み出していくことが、社会で生きる自分の価値にもつながります。こうした取り組みが周囲の喜びとなり、結果的に自分自身のやりがいや充実感も増していくと思います。
そして最後に、自分の人生は自分で選んでいける、ということを大切にしてください。今は困難な時代で、逃げたくなることや目を背けたくなることも沢山あるかもしれませんが、あなたがあなた自身の人生の主役です。自分の道を信じ、充実した人生を築いていってほしいと心から願っています。