現在の仕事についた経緯

先代は20代という若さで社長に就任したこともあり、バトンタッチは早い方がよいと考えていたようです。会社を継ぐということは20歳の時に決めていたのですが、その具体的なタイミングはもっと先だと考えていました。
しかし、会社の色々な都合があって、そろそろ地元に戻ってこないかという話があり、お世話になった会社に恩返しができないタイミングで退社する形になりました。

コロナ禍を経て、ホテルテトラはなんとか生き残りました。
これまで経験したことのない業績を3期、親子で荒波を耐えこれからV字回復をするぞというタイミングで、未熟な者が代表に就くわけですから、悪くなっていく時に就任するより良くなっていく時に就任するのが良いだろう、ということで就任しました。

仕事へのこだわり

今あるテトラのビジョン、ミッションなどの理念体系はすべて、これまで社員さんたちが実践してきたことを言葉に定義しなおしたものです。その理念体系を通して、新代表がこれまでのレガシーを尊重し尊敬する姿勢が、社員さんたちに伝わり、誇りになり、それが顧客に届くパワーになります。
先代はカリスマでしたので、なんでも一人でできるスーパーマンのような人です。
それと比べると私は頼りないので、どうやって仲間と力を合わせて強い組織を創っていくかということを常々考えて行動しています。
トップ一人に甘えていればよかったので、強い幹部が育っていないということも一つの側面として感じています。
今のテトラのテーマは常に「自律と尊重」です。自ら、顧客を想い、考えて行動する。そうした自律分散型の組織があちこちで地域の元気と笑顔のために光り輝く。それが私の道です。

また現在世界中に人口減少、経済衰退で元気がなくなっている地域が存在しています。
私たちはホテルなどの事業を通して、そうした地域の元気と笑顔に貢献していきたいです。
日本は高齢化や人口減少については課題先進国ですが、私たちのメインエリアである北海道はその日本の中でも課題先進地域です。そこで培った力を世界に貢献するために使えたらよいなと考えています。

若者へのメッセージ

自分の地元を背負って挑戦しませんか?
自分の地元を元気にできるのは、地元に育ててもらった地元の人間しかいない。
つながりの中で頼り頼られ生きていくのが人間本来の力です。
そうした本来の力を発揮して自分の命を燃やしていく、そんなかけがえのない人生を一緒に過ごしませんか。

また私は自己変革が好きで、様々な研修やセミナー、書籍などで自分の壁を壊す訓練をしてきました。
その中で、個の最小単位は個人じゃないな、という閃きにいたりました。個人ではなくて家族だなと。
人は生まれてから死ぬまで、自分の意志で何かを決断するということはただの一どもない。初めて言葉を耳にし、発した時から常に周りの影響を受けている。やさしくされたこと、傷つけられたこと、学んだこと。この借り物の体でそうした刺激と反応の積み重ね、自分というものを形作っていく。そう考えると、多くの刺激を与えてくれたり共有してきた家族という単位が個人の最小単位だなという考えかたです。
これを会社や地域まで拡大して考えても、つねに影響しあっているのが人間。そうした温かいつながりを大切にすることの起点でありたいです。