現在の仕事についた経緯

出産がきっかけです。子供を産んだ後、だんだんと気分が落ち込むようになって鬱のようになってしまいました。そのような生活と決別したくてアメリカで流行っていたpositive disciplineというコーチング講座を受け始めたのです。受講し始めてからは、自分の子育てを見直すことができるようになりました。また同時に、私以外にも同じ悩みを抱えている在日華人がたくさんいることを知りました。自分と同じ悩みを持つママを救いたい。それが在日華人のカウンセリングをはじめた原点です。
最初はママ同士で読書会をしたり、悩みを共有したりするワークショップが中心でした。そこからどんどん人が集まってきて、2019年のコロナ前には累計1,000組のご家族とお会いさせていただくまでになりました。ここまできてはじめて、「自分のやりたいこと、役に立てることはこれだ」と自信を持てるようになりました。さらにカウンセリングの知見を深めようと、アメリカの心理学を勉強し、国際心理カウンセラーの資格も取得しました。

仕事へのこだわり

お悩みをとにかく全部聞くということを大事にしています。教師のように「こうするべき」という話はしません。カウンセリングを受ける方は自分の考えを誰かに理解してほしいと思っています。人には多様な価値観があります。私はその価値観を否定するようなことは絶対にしません。全身全霊でその人のすべてを包み込むように傾聴し受けとめる。そうすることで相手は心のモヤモヤを吐き出してリラックスできるのです。
そして、話を聞きながら自分探索を促す質問をしていきます。カウンセラーの質問に答えていく中で、自分の考え方、物事の見方が整理されていく。こうなってはじめて、改善方法を一緒に考えます。一人で悩みを抱えている間は、物事を一面からしか捉えられていない可能性があります。まずは傾聴を通じて、相談者の方が見ている景色を共有していただき、その物事が他の角度からも見えるような気付きと解決の選択肢を一緒に考えることが、私が大切にしているものです。
経営者や従業員に対して、個人と同じように1on1での悩み相談もしていますが、研修の提供もしています。研修といっても、座学講義のように講師が一方的に話すものではありません。体験学習のように受講生ひとりひとりが積極的にワークに取り組んでいけるような講座を提供しています。
たとえばチームワーク研修では、最終的にはチームワークを身に着けてもらうことが目的ですが、研修では一見チームワークとは関係のないことも行います。心理学的な性格テストを使いながら自分以外の人を理解するための方法を体験したり、コミュニケーションをテーマにどうすれば自分の話を理解してもらえるのかを実例を交えて体験したり、といった形です。チームワーク以外にも、実生活で使える能力を体験を通じて身に着けてもらいたいと思っています。
他にはサブスクのような形で月3回の無料カウンセリングサービスを提供したり、マネジメント層と社員の架け橋になって相互理解の促進・社内雰囲気の改善のお手伝いをしたりしています。法人向けは現状、中国企業を中心に提供していますが、今後は日本企業に対しても提供の幅を広げていきたいと思っています。私が得意とするのはアメリカ式のカウンセリングなので、日本のカウンセリングとは違うアプローチでお悩みの解決ができると思います。

若者へのメッセージ

カウンセリングはアジア圏の方はあまり利用しないイメージがあります。しかしアメリカではカウンセリングは人々の日常に溶け込んでおり、何かあったらすぐにカウンセリングに通っています。
日本人の方は特に一人で悩みを抱えてしまうことが多いと感じています。「カウンセラーには私のことなんてわからないだろう」「相談しても悩みは解決しないだろう」と懐疑的な方も多いのでしょう。
自分らしい価値観を発見し、多面的に物事を見ることができると世界が変わります。ご自身の生活をより豊かにするために、悩みは一人で抱えず、自分を見つけて、自分らしく人生を楽しんでいきましょう。