現在の仕事についた経緯

私は上場会社の代表者を辞めた後、経営コンサルティング会社を創業し、中小・中堅企業やスタートアップの経営の支援をしていました。このような中で、約3年前にお客様の社長と話をしている時に、業種業態や成長ステージは違っても、私が会社経営において実行していることは同じであることに改めて気が付きました。
それは「チームのタスク管理」の導入・運用です。チームの誰が、どのようなタスクを、いつまでに実行すべきかを管理するだけで必ず良い会社になるのです。同じことを繰り返しているならば、システムにしてより多くのユーザーに利用してもらいたいと考えました。そこで、40歳の元旦の日に、経営支援クラウド「スーツアップ」の企画書を作成し、現在の経営支援クラウド事業を開始させました。

仕事へのこだわり

私の仕事のこだわりは「人として正しいことを行う」ということです。
当たり前のことのように聞こえるかもしれませんが、会社経営をしていると良い時もあれば悪い時もあり、悪い時でもこういった「正しさ」のような道徳観を持ち続けることができるかは非常に大事なことだと考えています。会社経営者はリーダーですからフォロワーの見本になるような生き方をしなければなりません。お世話になった人に感謝の気持ちを伝える、間違っていることに対してやってはいけないと注意する、そして、大変な苦労の伴う仕事であってもお客様のために努力するなど、当たり前のことを当たり前に行えば必ずビジネスは上手くいきます。

また、私はキャリアの大半で中小企業の企業再生をしてきています。企業再生をしていると、会社存続の観点から、スタッフの皆さんに変化を求めざるを得ない場面に直面します。慣れない仕事への部署異動もありますし、時にはリストラをせざるを得ない場合もあります。早いもので20年近く会社経営の仕事をしていますが、私は決して自分のことを強い人間だとは思っていません。そのため、例え会社のため仲間のためであったとしても、こういった時に、自分が「正しくない」ことをしていながら、他人に強く何かを求めることができないのです。そのため私は、いざという時のために、常日頃から「正しいこと」をしようと心がけています。

ビジネスですから儲からなければならないことは言うまでもありませんが、中長期的に多くの人との協力関係を築くためには、人として正しいことを行い、信頼を集められるような仕事の進め方をしなければならないと考えています。

若者へのメッセージ

若者には、焦らずに、自分が本当にやりたいと考える仕事を見つけなさいとメッセージを送りたいと思います。
モチベーションとは「こうなりたい」ではなく「やりたい」だと思います。「こうなりたい」では達成してしまったら終わりが来てしまいますが、「やりたい」「やり続けたい」という気持ちはさらに自分を成長させてくれます。自分が本当にやりたいことであれば、寝食を忘れて没頭できますし、どのような困難も楽しむことができると思います。これだけのエネルギーがあれば、その仕事は必ず上手くいくのではないかと思います。

私は、当社が展開する経営支援クラウド事業、すなわち中小企業向けタスク管理ツール「スーツアップ」の開発・運用の事業にたどり着くまで、約20年もの月日を要しました。しかし、この事業の持つ日本の中小企業の労働生産性を向上するというテーマに対して、今までの自分のキャリアで培ってきた経験が全て役立つと考えると、まさに自分の人生はこの事業を行うためにあるのではないかと思わされます。
今は人生100年時代ですから、5年や10年は大した時間ではありません。心からやりたい仕事に巡り合うまで時機を待つのも一つの選択肢だと思います。