現在の仕事についた経緯
私は元々、人間の理学療法を学ぶ大学へ通っていました。その中で動物のリハビリもあるということを知りましたが、当時は今と比べて動物のリハビリはまだまだ確立されたものではありませんでした。動物だから仕方がないという考えの元に、リハビリを施術されている部分も世間的に多かったのです。そんな現状を変えたくて、この道に進み、動物リハビリの開拓者になろうと決めました。
はじめは動物病院に所属し臨床経験を積む毎日でしたが、次第に自分一人ではこなせる症例に数にも限りがあり、動物のリハビリを普及させることにも限界があると悟りました。そして、動物のリハビリを一般化するために動物理学リハビリ国際協会APRIAという団体を立ち上げ、セミナーや資格取得者の育成など後進の育成に力を入れるようになりました。
仕事へのこだわり
私の仕事へのこだわりは大きく2つあります。
まず1つ目としては、「動物だから仕方がない」という選択は取らないようにしています。
弊社の理念は「人間と動物の境界をなくす」ということです。「動物だから仕方がない、諦めよう。」という考えは持たずに、「では動物だとどのようにすれば良いのか?」と考えるようにしています。
動物は家族と言われる時代ですが、服装・食事・生活環境・医療など様々な面で、犬だから…猫だから…といった諦めた考え方をされることがよくあります。特に医療においては「言葉が通じないから仕方がない。」と諦められてしまうことが非常に多いです。言語による誘導や聴取ができないのは人間と比べれば圧倒的に劣る部分です。しかし、人間の新生児の場合も条件は一緒です。言語による誘導や聴取は全く行えません。ただ、新生児他の方法を模索しようと考える方が多いはずです。動物も同じように他の方法を模索することで行える処置や施術はたくさんあります。そのような考え方を持って仕事を行なっているというのが仕事へのこだわりの1つ目です。
2つ目としては、行いたいことや実現したいことがあれば積極的に口に出し、周りへ伝えるようにしています。
そうすることで同じ理念を持つ方々からご支援やお力添えを頂いたり、新たな提案を頂いたりすることがあります。こうしたことは自分一人で考え込んでいては起こり得ないことです。積極的に発言し周りを巻き込むことで、目標を実現していくというやり方は私の大きなこだわりの2つ目です。
若者へのメッセージ
何か新しいものを始めようとする時には、まず今の自分には何があるかを考えてみてください。
色々な自分の特技や自慢できることを考える。それら一個一個は飛び抜けて優れたものはないかもしれません。ですが、その自分の特技や才能を2つ3つと掛け合わせることで新たなものが誕生します。
私自身で考えても、理学療法やリハビリの知識は私より優れた著名人の方が多数存在します。そして動物の知識においても私より優れた方は多く存在しています。しかしこれら2つを掛け合わせた「動物のリハビリ」はまだまだ未発展の分野であり、この狭いジャンルの中では1位になれる自信がありました。
このように、何か1つで叶わないようならば自分の持てる秀でた部分をもう一つ探してみて下さい。そして、その秀でた部分を使って今までになかった新しいことを作り出してみましょう。そうすることで他者に真似できない、とっておきの自身の強みを作ることができます。その強みを使って新しい時代の開拓者となってください。
色々な物事で溢れている世の中ですが、まだまだ開拓していくことは可能です。ぜひ、自分の可能性に諦めず高みを目指してみてください。