現在の仕事についた経緯

元々中学校の教員でサッカー部の顧問でした。転勤話が持ち上がった際、教師の高齢化や少子化が進み、サッカー部顧問の引き継ぎ手が見つかりそうになかったので、U-15カテゴリーのサッカークラブ、FC岸和田を立ち上げました。以後、現職教員として働きながら、FC岸和田のコーチ・役員・クラブマネージャーを担っています。
クラブ設立当時から、『総合型の地域スポーツクラブにしよう』という考えを持っていましたので、多世代・多種目のスポーツ活動ができるクラブづくりを進めてきました。
2024年現在、幸いにもクラブ設立から23年目を迎えることができ、FC岸和田では、サッカーやダンス、ラグビーなど11のスポーツを運営し、約600人の会員がスポーツを楽しんでいます。

仕事へのこだわり

FC岸和田のミッションは「スポーツで地域住民を幸せにする」ということです。
日本のスポーツには問題点がたくさんあります。少子化や、教員の働き方改革による部活動の衰退、企業スポーツの衰退、女性や障がい者が生涯スポーツを楽しむことができる環境の少なさ、日本の総人口の約4分の1が65歳以上の高齢者であることによる健康維持問題、中高年のスポーツ習慣の少なさ等です。このような課題を少しでも解決できるように貢献することを目指しています。
仕事へのこだわりは、このようなスポーツにおける社会課題の解決を、営利事業として行うのではなく、また、行政に依存するのではなく、住民自らが主体性をもって解決するプラットフォームをつくることです。
FC岸和田の役員は全員が無報酬のボランティアスタッフです。クラブで利益が出れば、スポーツ活動における環境を改善するために使います。幸いにも、小さな街クラブですが、人工芝サッカーグラウンドだけでなく、ダンススタジオや輸送用のマイクロバスも所有するまでに成長することができました。
また、会員の皆さんの中には、グラウンドの掃除や破れた防球ネットを補修してくださる方もいます。住民自らが主体性を持ってクラブ運営に参加する意識が醸成されています。

若者へのメッセージ

現在は、岸和田市内の小学校で校長を務めながら、総合型地域スポーツクラブFC岸和田の理事長を担っていますが、教員になりたての20代の頃、現在の姿はまったく想像していませんでした。ましてや今の立場や姿を目指していたわけでもありません。
中学校の教員時代は生徒指導を長年担当し、様々な課題を抱えている中学生や親御さんの支援に関わりながら、サッカー部の顧問として目の前の試合に勝利する事にコミットしていましたし、試合のない週末はスキーやアウトドアスポーツを楽しみました。その中での経験が現在の財産になっている、ということがたくさんあります。
また、転機となる節目も時々あったように思います。クラブを立ち上げた時、グラウンドを造った時、管理職になった時…勝算を図るよりも、全力でチャレンジするという気持ちで実行しました。
若い皆さんには、タイパを気にせず、仕事を選ばず、経験値は質より量を求め、観たい景色は観に行くことをお勧めします。