現在の仕事についた経緯

2011年の東日本大震災の影響により、関東以北の漁港は壊滅的な被害を受けました。放射能問題もあり仕入れに苦慮していた時に、懇意にしていた大阪の漁師から、“大漁に獲れすぎたことで価格が低迷していて困っている”と協力の申し出がありました。
新たなブランディングのためメディア戦略を仕掛けた所、大ヒット商品となりました。しかし、仕入れ価格が高いことに対して社長から叱責を受けて大喧嘩となり、退職に追い込まれることとなりました。
ですが、カリスマバイヤーとして名を馳せていたことが評価され、農林水産省の6次産業化プランナーとして認定されました。その後、全国の生産者の所へ派遣され、ブランディングや販路開拓のサポートを行うこととなりました。

仕事へのこだわり

元々魚嫌いであったため、初めて百貨店の店頭で販売をすることになった時は商品知識が皆無でした。そんな私であっても売らなければ話になりません。
そこで、自分なりに“どう売るか?”を考え、「自分がお客の立場なら…」という発想で、自分が疑問に感じることを周りの先輩たちに聞いてみました。数分のレクチャーを受け、自分自身が感じる疑問やデメリットをこちらからお客様にお伝えし、その解決策を結論として伝えるように話すと、自分の周りには黒山の人だかりが出来ていました。
物を売る際に、ほとんどの人間は自分の知っている限りの知識をひけらかそうとします。しかし、お客様はそんなことを知りたいのではなく、自分自身にもたらされるであろうベネフィットを知りたいのだということをこの初日に実感しました。
業種や商品が変わっても考え方は何一つ変わらず、その結果、日本一の販売実績をあげることが出来ました。

若者へのメッセージ

人にはそれぞれの個性があり、一人一人に違った魅力があります。しかし、自分自身のことは自分自身が一番気付けないのです。まさに灯台下暗しです。
自分自身を大きく見せようとすると、誰も意見を言ってくれなくなり、益々自分自身が見えなくなるものです。聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥と言いますが、わからない時は年齢や立場等を気にせず、素直に尋ねれば教えてくれるものです。
見栄を張ったりせずに、素直に「教えてください!」と言える気持ちを持っていれば永遠に成長できると思います。