現在の仕事についた経緯
大学で所属した研究室が、土木の中で橋梁に関連するテーマを扱っていたことから、これに関係する仕事がしたいと思っていました。当時の阪神高速道路は、関西国際空港へのアクセスをはじめ多くの路線が計画されていたことや、関西の大動脈として機能していることを魅力と感じておりました。それらに加え、建設される橋梁をはじめ、様々なところに新技術が導入されており、常に新しいことに挑戦している風土が学生の私にも実感できたことから、その一員になりたく、入社を希望しました。
仕事へのこだわり
節目の時など、社員に伝えている言葉の一つに“面倒な仕事ほど面白い”があります。この言葉は、学生時代に先輩から言われた言葉で、変わったことを言うなと印象に残りましたが、当時はその意味することは理解できませんでした。
就職して様々な仕事を任される一方、予定通り進まないことや、成果が出ないなど、多くの失敗もありました。しかし、このような仕事ほど後まで記憶に残るもので、誰でも出来る仕事は出来て当たり前。それに対し簡単に出来ない、誰も経験していない仕事であれば、失敗も多いですが、成果が出た時の達成感はひとしおです。
我々の仕事、高速道路の維持管理の成果は、日々トラブルが発生しないことが当たり前であり、一旦トラブルが発生すると、お客様に多大なご迷惑をかけることになります。しかしこれらの成果が見えにくく、この当たり前を続ける目標・ゴールとして相応しいものは何か。あれこれ議論した結果、ハードルは高くても単純明快な目標ほど、社員に対しても浸透しベストであり、常に最高の安全・安心を目指す想いから、弊社の事業ビジョンを「最高水準の道路守り(みちもり)」としました。
我々の仕事は様々な技術を基に成り立っており、新しいことへの挑戦がなければ技術も進まず、組織や社員の成長も無く、ビジョンの達成も出来ません。思うように進まなければ凹むこともありますが、そんな時、簡単に出来るなら誰かがやっているだろう、だからしんどい、でも出来たら最高だろうと、気持ちを切り替えて取り組んでいます。
面倒と思うか面白いと思うかは紙一重、仕事を受け身に捉えず、主人公は自分であり前向きであること、そのためには常に好奇心、そしてチャレンジ精神を忘れないことです。
若者へのメッセージ
今は情報があふれている時代と言われ、インターネットをはじめ様々な媒体を通じ、欲しい情報を欲しいときに手に入れることが出来ます。最近では生成AIもすっかり定着し、さらに拍車がかかった感があります。
しかし、気を付けることは、それが意図的かそうでないかは別にして、100%実際の情報を伝えているかです。情報には種々制約(時間や文字数、画像の数など)があるのが常で、その内容量が絞られています。これら情報の性格を十分理解し、そして溺れることなく、若い皆さんには、自分のやりたいことを是非しっかり見つけて欲しいです。
そのためには、関心を持ったことは現場に行って自分の目で確かめ、いろんな経験を積んでください。会社でも「迷ったら現場へ、そこにヒントがあるはず」と言います。文字や写真では読み取れない情報が転がっていることもしばしば。
自分の関心事は何か、何がやりたいのか解らない時もあるでしょう、だからこそ少しでも関心を持ったら、貪欲に自分の目で見て経験を重ねてください。きっとそれが情報を見極める力にもなり、自分がやりたいことをみつける契機になるかもわかりません。