現在の仕事についた経緯
勤めていた会社がバブル崩壊の影響で倒産し、その後就活をするも道が開けず、独立開業の道を決断します。家内事業にも近い状態から創業し、当初は電気関係の部品製造事業を始めましたが、産業構造の空洞化により、3年目に入っても収益が伸びず経営難に陥りました。
その様な時に、ある人を通じて建材関連の事業と出会いました。製造業の経験が建材業界でも通用すると確信し、新規事業として大きく経営の舵を切ることとなりました。紆余曲折しながらも、現在の事業規模まで漕ぎ着くことができました。
仕事へのこだわり
好奇心旺盛な子どもでした。とにかく興味を持ったら何でもやりたい性分でした。
音楽とモータースポーツにハマり、卒業後は音楽活動ができる仕事に就職し、並行してA級ラインセスを取得。モータースポーツのラリー競技の試合にも多数出場することとなりました。
その後、お堅い製造業の会社に入社しても、そのアグレシッブな性分を変えることはありませんでした。組織的に分業化されている仕事が面白くなく、“いつか他の部署から欲しいと思われる人間になる”と自分勝手に目標を立て、熱く仕事をしていました。その私に大きな影響を与えたのが、顧問として招かれた直属の上司です。某大手電機メーカーで、世界初の電子体温計を世に出した人物でした。その人には、「知力と闘争本能、これを持つ人間と持たない人間の差は明白」と言われ、10年間徹底的に鍛えられました。
・自分で目標をつくれ。その目標に向けて環境が味方になるまで本気で生きろ。
・常に進化していく社会に臆するな。
・常に、外界とのつながりを堅持し知見を広げろ。
・得な生き方をするなら報告上手になれ。
・時間の価値を人の倍は出せ。
・人生の苦労も楽しめる哲学を持て。
この人のおかげで、「働く」と「仕事」の違いがより具体化しました。
また、今でも、仕事を進めるうえで大事していることが2つありますので紹介します。
▼この目・この手・この足で
自分自身が、まず行動してみる。そこから得た体験を通して知恵の源泉としていく。
▼人間の中へ
多くの人とのつながりは、人生の良き味方を発掘でき、より良き人生の糧となる。
若者へのメッセージ
「お金」と「時間」この2つは人生において非常に貴重な資源です。誰しも、この2つは、できるだけたくさんあった方が嬉しいです。
経営の世界では、それ以上に重要なのが、その『使い方』です。たくさん生み出すことよりも大切なのは、「何にお金を使うか。」「何に時間を使うか。」です。その「お金」と「時間」の“使い方”で会社の将来が大きく変わるからです。これは個人においても同じであり、その使い方で自分の人生の未来の姿は大きく変化します。
お金は持っているだけでは、何年経っても差は生まれません。また、「1時間」という暇な時間があっても、時間を持っている、それ自体では差が出ないのです。差が生まれるのは、それを『使う』時です。使ったことで、その結果が変わり、未来が変わります。
次に、重要なことが、その「お金」と「時間」には大きな違いがあるということです。それは『無限か有限か』という違いです。「お金」というものは、理論上、上限は存在しません。そういった意味では、本来の性質としては『お金は無限』であり、その上限は自分で変化させることができるのです。
一方の「時間」はどうかというと、「1日24時間」というのは誰にとっても同じで「1日は24時間まで」という限界があるのです。したがって「時間」の本来の性質は『有限』だということです。
世の中では「価値が高いもの、価値があるもの」というのは、貴重で希少なものを指します。つまり『お金より時間が貴重だ』という結論に至ります。近年は、“タイパ・コスパ”と効率を求めることにこだわりを持つ時代です。効率化を追求するのは重要ですが、時間の消費量より、何に時間という資源を投資したかが、より大事ではないかと思います。
一人の人生の持ち時間は約70万時間とも言われています。この70万時間をより価値ある使い方にする。そのことをいつも意識してもらえれば、より有意義な価値ある人生になると確信します。