現在の仕事についた経緯
管理職として税務署に勤務していた頃、多種多様な業界の経営者の皆さん方から話を伺うことのできる機会があり、私にとって非常に学ぶことの多い時間でした。それだけではなく、そんな時間がとても楽しく感じられたので、こういった方々を直接サポートできる仕事ができればもっと楽しそうだと思い、定年まで数年を残して早期退職して開業しました。
後はまた、人生一度きりですので、残りの人生を自分で切り拓いてみたいという思いもありました。
開業にあたっては、若い頃にお世話になった先輩税理士等から手厚いアドバイスやフォローなどをしていただきながら、未経験の分野等にも尻込みせず、日々勉強しながら様々な仕事に取り組んでいます。
仕事へのこだわり
仕事の中でまず大事にしてきたことは、“人との出会いを大切に”ということです。
私がいた国税の職場は異動の多いところで、毎年毎年人が変わっていきますので、尊敬できる先輩に出会ったとしてもずっと一緒に仕事することはできません。
ですから少しでも先輩のいろんなノウハウを吸収しながら、でもただ真似をするのではなく、そのノウハウを私なりに消化して、次の世代にもそれを伝えていくことを心がけていました。
そのおかげで世代を超えた沢山の仲間という財産を築き上げることができましたし、その財産はこれからの税理士人生においてもきっと役に立つと思っています。
仕事をする上では沢山の苦労があることは当然です。そんな時に「しんどいなあ…」と考えながら仕事するのではなく、ちょっとでも「しんどさの中の楽しみ」を見つけて前向きに仕事ができるようにも心掛けています。
しんどい仕事に向かう時ほど、「よしやるぞ!」と気持ちを入れて仕事に向かうことで、業務効率もきっと上がっていくのではないでしょうか。
また、仕事を進める時には複数の選択肢がある場合もあります。
そんな時に常に考えたのは「王道を選ぶ」ということです。中には他と違うことをして目立つことを選ぶ人もいるかもしれませんが、奇をてらったことをしても結局のところは絶対に王道には勝てないと思いながら「決断」をしてきました。
そして決断したら、その理由と方向性を明確にすべての関係する人に説明することが重要ですね。そうすることで沢山の方々の協力を得ながら大仕事も進めてこられたと思っています。
税理士としては分かりやすい言葉でクライアントに説明し、理解・納得をしていただきながら仕事を進めていきたいと思っています。
若者へのメッセージ
現場力…それが自分にとっての強みではないかと考え、そんな言葉を使って、国税の若手職員にお話しをさせていただく機会が何度かありました。
現場というと外に出ての仕事を想像するかもしれませんが、電話や窓口で話すこともすべて現場には違いありませんので、あらゆる現場において臨機応変に対応できる「現場力」を身につけてほしいという思いでお話しをさせていただきました。
いつも一本調子では上手くいきませんので、相手の言葉にしっかり耳を傾けて、しっかり目を見て、しっかり考えながら話をすることで、柔軟に機転を利かせることができると思います。
良い意味での「年相応」…20代30代でバリバリ仕事をして素晴らしい成果を上げていた人が、40代50代になって管理職になった時に、後輩・部下との接し方や仕事の進め方に悩んで困っている姿を度々見ました。
どの世代においても、自分がやるべきことは何なのかということを念頭に仕事をすることが大事だと思います。私は出来る先輩を見る度に、「その年齢に自分がなった時にあんなことができるだろうか…」そんなことを考えながら、その年齢の自分を目標に仕事に取り組んできました。
皆さんも先輩に追いつき追い越せるよう頑張ってください。