現在の仕事についた経緯

私は看護師として約10年間勤めていました。看護師を続けていく中で、ずっと理想と現実の間での葛藤がありました。
そんな折、社長(義父)と社長が経営する会社の将来について話しをし、社長が引退する際に会社の規模を縮小することを知りました。その話を聞いて、何となく寂しさを感じる自分がいました。それと同時に“自分がなんとかしよう”という気持ちが芽生えました。
人生一度きり、本当のなりたい自分を目指していくべきだと決意し、より多くの自分の可能性にチャレンジしていくためにも、前職とは全く異なる養鶏家としての活動を始めました。

仕事へのこだわり

仕事へのこだわりと言いますか、私自身が鶏を育てる上で常に心がけていることは「自分の生産物に責任と自信を持つ」ということです。やはり鶏肉はお客様の口に入り、体の一部になるものなので、安心・安全であることは最低限担保しなくてなりません。
弊社は企業としてはまだまだ小さく、至らぬ点は多いです。しかし私たちはその限られた環境の中で、常にベストを尽くしているという自負があります。それは一重に取引先の方々、私たちの生産物を選び愛してくれるお客様、そして育てている鶏達に対する責任を果たそうという想いからくるものです。そういった日々の積み重ねが、自分達が育てた鶏肉に対する自信に繋がっています。
自分達の生産物に自信が持てると、話す言葉にも自然と想いや熱がこもります。心からの言葉は計算された言葉よりも、ずっと人の心を動かす力があると私は感じています。
看護師だった経験を経て、養鶏家になった私だからこそ伝えられる想いをこれからも伝え続けていきたいと思っています。そして安心・安全な美味しい鶏肉を提供し続けたいと思っています。

若者へのメッセージ

私自身30代のまだまだ若造で未熟者なので、若者にメッセージを送るというのは大変おこがましいですが、私がいつも心がけていることをお伝えします。
私がいつも心がけていること。それは「当たり前のことは何一つない、全てに感謝する」ということです。看護師として、また養鶏家として、命と直面する中で学んだことです。日常の小さなことが、実はとても貴重なものだと気づきました。
たとえば、「食事ができること」や「家族と会話をすること」。これらはすべて当たり前のことではありません。食事をするためには、農家の方が作物を育て、店員さんがそれを売り、誰かが料理をしなければなりません。知らず知らずの間に私たちは誰かに支えられて生活しています。そしてこれら全ての体験は私たちが生きているからこそ体験できることです。
現代はSNSなどのおかげで、簡単に他人と繋がれる時代ですが、それには良い面と悪い面があります。自分の意見を伝えることは大切ですが、自分にとって当たり前のことが他の人にとっても当たり前とは限りません。みんな違って、みんないい。お互いの違いを認め合い、互いの長所を活かして協力することで、一人では達成できない大きなことが成し遂げられます。
だから、まずは自分以外の誰かの為に尽力しましょう。それは決して背伸びをする必要はなく、今の自分にできる範囲のことで構いません。そういう小さな積み重ねが、いつかあなた自身を助けてくれる時が来ます。自分の行動が他人に与える影響を常に意識し、感謝の気持ちを忘れずにいれば、きっとあなたの人生は今よりもっと良いものになると私は信じています。