現在の仕事についた経緯

元々は立体映像の研究に従事しておりましたが、立体映像ブームが落ち着き、業績不振で会社が倒産してしまいました。
ダメ元で、昔から興味があったエンタメ・アニメ業界に入ろうと思い志望しました。最初は3DCGデザイナーとして働き、その後自分の進路を考え、プロデューサーになりたいと思い、制作進行に転属してキャリアをスタートしました。
CGプロデューサーも考えたのですが、上司にアニメをやりたいのかCGをやりたいのか問われた際、「引き続きアニメのCGをやっていきたい」と伝えたところ、まず作画(2D)を経験した方が良いとアドバイスをいただきました。
とても大変だということは存じておりましたので、正に清水の舞台から飛び降りる気持ちで挑みました。

仕事へのこだわり

どの仕事にも通じますが、確実に相手に内容を伝えるためのコミュニケーション、文章に関してはかなり注意しております。
アニメは手描きで1枚1枚絵を描いているため、ニュアンスや方向性が違うと全て描き直し(リテイク)になってしまうので非常に重要なのです。
商業アニメーションは沢山の方が関わりながら作っていくので、私の“制作”という仕事は各セクションの橋渡しになります。
そういった面でも伝え方は慎重に行います。職人気質の強い業界なので、一度崩れてしまった信用を回復するのは大変です。
そして、みんな好きなものづくりを職にしているので、クリエイティブに楽しく作業できる環境を整えることにも注意しています。そういった現場でないと良いアニメは生まれません。これが制作の力量が問われてくるところなのです。
そして何より自分も楽しめるかどうかです。自分自身も作ることを楽しみ、のめり込まないと良い作品にはならないと思っております。

若者へのメッセージ

ネットの普及により、沢山の物事が見えるようになりました。
ただ一次的な情報だけでは測れないことが多いので、興味を持ったらトライしてみるのが良いと思います。
私個人の感想ですが、先が見え過ぎてしまうがために現代の若い世代の方は保守的になる傾向があると思います。
20代ならいくらでも潰しが効くと思いますし、チャレンジしたことは経験として身になりますのでまずは行動を心掛けて欲しいです。
ただ、中途半端な努力や挑戦は身になりませんので良くないです。
思い切りと覚悟を持って仕事に取り組むと、自分が思い描いていたよりも良い将来に辿り着ける確率が高まります。