現在の仕事についた経緯
音楽と食品は一見すると結びつかないように感じますが、自分の中では点と点を一本の線で結ぶと、現在の仕事に至ったことは必然であったように感じます。学生時代より声楽を学び、自分の体が演奏する上での「楽器」でしたので、当時より自身の肉体への興味は大いにありました。
また芸術を学ぶ上で、美への関心も高かったと思います。20代は音楽活動をしながら様々な仕事に就いていましたが、自身のケアを行うために出会ったアロマセラピーを詳しく学んだことが、まず美容関連の仕事に就いたきっかけです。
輸入商社で世界各国のウェルネスブランドと関わり、ブランド創業者などとも直接やり取りをする環境で仕事をしておりましたが、化粧品やインナーケアのブランドと関わる中で、学生時代より関心のあった肉体と美についてが、自分の中で感性として磨かれていったように感じます。
私は15歳から海外に出ていましたが、この仕事に就いて海外とやり取りをする中で、改めて日本という国の素晴らしさや海外の方の
日本への関心の高さを再認識しました。
その反面、日本人の奥ゆかしさからか、なかなか日本は海外で活躍しきれていないようにも感じていました。
これまでは海外のブランドを日本にご紹介する仕事をしてきましたが、自身のブランドを日本に、そして海外に広めていきたいという想いが芽生えていきました。
そこで、人間の体は口にするものから作られますので、まずは食からと考えて、Stick Remedyというフードブランドを立ち上げました。体を整えるということから、現代人に不足している栄養を手軽に摂り入れられる健康食品を開発しています。
体に有用な商品ラインナップを広げ、ゆくゆくは日本の食材なども展開していきたいと考えております。
仕事へのこだわり
妥協ではなく最善策を模索していくということです。最善策を見つけるということと、妥協をするということは全く違うことだと考えています。
様々な国とやり取りをする中で、人種や文化も様々で、まさに多様な考え方があることを肌で感じてきました。日本の消費者に向けたビジネスを行う上で、日本の商習慣を理解していただくということがいつも一つの大きな壁として立ちはだかっていました。
海外でも皆さん口を揃えておっしゃるのが、「日本の市場に入ることができればどの国でも通用する。」ということです。それくらい日本は細部まで整えることに重きを置いている市場だと感じます。
「妥協」としてしまうと、するかしないかの二択です。こちらの主張を掲げるとどちらかが折れるしかなくなります。そのため、相手方とぶつかり失敗をしたこともたくさんあります。
「最善を尽くす」となると、多様な考えを持ってしても、ゴールは一つですので、お互いの理解のもと、柔軟により良い仕事が達成できます。
ビジネスをしていると様々なことが起こりますから、柔軟な対応力は必要不可欠です。海外の方とのビジネス経験は、一つの理想に固執することなく、最善を尽くしていく礎となり、今でも仕事のベースとして培われています。
若者へのメッセージ
私自身、まだ道半ばな若輩者ではございますが、一つ挙げるとするならば、努力は裏切らないということでしょうか。
生きていく上で、誰しもが様々な葛藤や挫折、試練と対峙するものだと思います。どんなに成功しているように見える方でも心の中では様々な反応があるものです。おそらくどの年代になっても、それぞれのライフステージにおいての学びはあります。
諦めてしまいたくなること、投げ出してしまいたくなること、人のせいにしたくなってしまうことがあると思いますが、それは自分軸ではなく、外側に軸を置いてしまっているからだと思います。
そんな時は、自分は何がしたいのか、そして自分には何ができるのかを考えてみてください。書き出してみるのもいいと思います。外側に意識が向いていたことが、自分自身に取り戻されてきます。自分に何ができるかは、これまでのご自身の努力の結果です。
そして、自分は何がしたいのかを考えた時、もしそこに自分にできることとの乖離があれば、ご自身として次に取り組む課題が見えてきます。
そうして、自分にできることが増えていくので、努力は裏切りません。努力をしても何もならないと感じてしまう時は、この何ができるかと、何がしたいかとの距離がまだあるからかもしれませんし、努力の方向性が違うのかもしれません。
できることを増やしていった先のやりたいことを、実現していく成功体験をたくさんしてください。
そして、ぜひその成功体験を仲間とともに切磋琢磨して繋げていってください。