現在の仕事についた経緯
2023年、生成AIが生み出す価値の高さに衝撃を受けて「M2AI」を立ち上げました。AI×マーケティングが学べる『m2AIスクール』の運営と、企業のAI活用コンサルティングが事業の二本柱です。
現在、日本のAI企業は「大企業向け」「低品質な情報商材」のいずれかに注力しており、偏った層にのみAIが喧伝されています。そのため私たちは、AIが格差を広げるだけの道具にならないために『一人一人がAIの力で自立すること』を支援しています。
「Meets AI :) Be Happy」の思いを大切に、“人とAI”の理想的なコラボレーション環境を目指して、学習支援NPO法人を対象とした無料勉強会などの取り組みを実施しています。
他にも親子でAIを学べる機会を増やしたり、女性が身近な生活の中でAIに触れる機会を作るために、動画プラットフォームで幅広い層への訴求を強化しています。
仕事へのこだわり
学生時代、夜間大学に通っていたので昼の空き時間を利用してたくさんの仕事を経験しました。会社員としてのオフィスワーク、広告代理店での営業活動、塾講師、金融業での借金の督促、季節のリゾートアルバイト、繁華街では深夜のネットカフェ、居酒屋、現場での肉体労働、誰もお互いの名前を知らない日雇いアルバイト、それらの経験が今の私を作っています。
新卒ではリラクゼーションサロンの都内チェーン展開に携わり、文字通り何でもやりました。そこから世界最大の経営コンサルティングファーム『アクセンチュア』に入社したことで現在のキャリアに繋がっていきます。それまでは漠然と「目の前の楽しそうなこと」を追いかける人生でした。
アクセンチュアに入ってからはとにかく激務でしたが、世界最先端のビジネスに触れることができたのは幸運でした。業務に必要な知識だけでなく、吸収できることは何でも貪欲に取り込みました。コミュニケーションには自信がありましたが、上には上がいる、ということを実感したのがこの時期です。
有名大学出身は当たり前、ほとんどのメンバーは海外留学経験があり、オフィスでは本場の英語が飛び交います。PCを開けば世界中の同僚と繋がり、慣れない英語でチャットする。そんな環境で「今できないこと」を一秒でも早くキャッチアップする本質的な嗅覚を身につけることができました。そうしなければ生き残れなかったからです。
その努力もあって、入社初月に月次最高成績を収めるなど、何度か社内表彰をいただく機会に恵まれました。何より嬉しかったのは、自分のことのように喜んでくれた先輩・同僚の顔が見られたことです。他者を蹴落とすためでない、フェアな競争がそこにはありました。
会社はCOVID-19をキッカケにリモートワークに移行しました。私はそのタイミングでマネージャーに昇格し、会社としても初めての組織体制でマネジメントを担当しました。マネジメントにはいくつかの側面がありますが、私が重視したのは「コミュニケーションコスト」の適切な取り扱いです。
リモートワークでは、人は孤独になります。人間が社会を形成するのは単独では生存できないからです。そしてリモートワークが失敗に陥るのは、多くの場合、各個人に合わせたコミュニケーションの質と量がコントロールされないからで、そのためには必要なリソースを適切に分配する必要がありました。
私が実施した施策を挙げるとキリがないですが笑、幸い成果につながり、プロジェクト全体でコロナ前と変わらない生産性を維持することに成功しました。この経験は独立した今も大きな糧になっています。
最後に、仕事へのこだわり、という言葉でまとめるなら「常に柔軟な思考を持ち、個人の拘りやしがらみに囚われず、会社とステークホルダー全体の利益を重視すること」です。
若者へのメッセージ
プライベートにおいて人は誰しも人生の主人公ですが、仕事においては全体最適化に主眼を置いてリソースを分配することが重要です。AIに話を戻すと、今は“人とAI”との協業の黎明期といえます。皆さんの想像以上に、ビジネスは大きく変化しています。
重要な論点として、AIと人間とは、経営においては平等に「リソース」として取り扱われます。そのため、同じコストでより良い成果を達成する方が優先されます。
AIはすでに人間以上のポテンシャルを持っています。これは単純な処理能力(労働力)としてだけでなく、知性という文脈においても同様です。
つまり、今、AIが使えるようにならなければいけません。
そうでなければ、AIが管理する会社、AIがコントロールする社会で、与えられた役割を全うするだけの人生になります。
そして“外の”世界に目を向けてください。
世界というのは、外国のことではありません。今あなたの見ている世界。スマートフォンを中心に広がる狭い視野のことです。
世界にはたくさんの人がいます。日本人は世界で1%の少数民族であり、SNSではさらにその数を減らします。
AIを通じて、広い世界を感じてください。
若いからといって可能性は無限大ではありませんが、選択肢は思っているよりも多くあります。
すべての大人は必ずしもあなたの味方ではありませんが、私は挑戦する人の味方でありたいと思い続けています。